コールドケース 第1話「テニスラケット(Look Again)」
米国放送日:2003年9月28日
監督:マーク・ペリントン
記念すべき第1話の監督はマーク・ペリントン。
映画「あなたの旅立ち、綴ります」や「U2 3D」などを監督。また数多くのミュージックビデオも監督している。
「コールドケース迷宮事件簿」では7エピソードを監督。また、コンサルティングプロデューサーとしてシーズン4までこのドラマに関わっている。
簡単なあらすじ
バッドランズにあるデラズチキン&リブで起きた殺人事件を担当していたリリーの元に、ボニータという女性が「昔殺人を見た」と証言しに来る。
リリーは事件のファイルがある倉庫、通称“墓場”へ出向き、30年前の未解決事件の解決へと動く。
今回の事件
1976年 ジル・シェルビー事件
チェスナットヒルのテニスコートで女子高生のジルが亡くなる。
当時この事件を担当していた刑事はジルの彼氏を犯人と特定していた。
当時関わっていた人物たち(※ネタバレ含みます)
ネタバレになるのでご注意ください。
イヴリン・シェルビー
ジルの母親、事件後に引っ越しをしていて、夫から暴力を振るわれていた。
トッド・ウィットリー
ジルの当時の彼氏でDV男。家は金持ちの権力者。
市警本部長と同級生であり、リリーに圧力をかけ捜査の邪魔をする。
エリック・ウィットリー
トッドの弟でおとなしい性格。ジルに片思いをしていた。
トッドにはいつも負けてばかりで唯一勝てたのはレスリング部の成績だった。
メラニー・ウィットリー
ジルの親友。現在はトッドの妻。
トッドがジルと付き合ってる頃からトッドと関係を持っていた。
ティム・ドーン
ウィットリー家の料理人。
ジルに部屋に来るよう誘っていたためジルの母親とメラニーはティムが犯人だと思っていたが、実はゲイだった。
チャーリー・ウィンタース
血に染まったウィットリー兄弟の目撃者。
当時ジルの母親に打ち明けようとしたがマリファナを吸っていたため話を聞いてもらえなかった。
犯人&犯行
がっつりネタバレになります!!!
ジルとエリックがキスしているのをトッドが目撃し口論となり、トッドがジルをテニスラケットで殴り殺す。
一緒にいたエリックは助けることもせず、ただ見てるだけだった。
犯行に使ったテニスラケットや血で染まったユニフォームは、叔母の家の庭に埋めて隠していた。
第1話「テニスラケット(Look Again)」の感想
感想にはネタバレがありますのでご注意ください。
まさに演出で鷲掴み
「これがコールドケースだ!!」と言いたげなほど、演出方法が一貫としていて最高の第1話でした。
海外ドラマは大抵第1話はパイロット版で、第2話といきなり雰囲気が変わってたり、俳優の髪の毛が伸びてたりw
酷い時には俳優さんがチェンジされてることもあります。
しかしこのドラマは「最初からこの演出方法でいきますので!よろしく!」とブレがなく、最高のスタートでした。
第2話からも安心して過去、現在の俳優の切り替わり、そしてラストシーンの曲を前面に押し出した演出。
なにも変わりません。1話完結型で見やすさも人気に拍車をかけたのでしょう。
第1話は全米が注目した実話を基にしたストーリー
コールドケースは実話を基にしたエピソードが何話かあります。
実は第1話から実話を基にしたエピソードだったようです。
しかも全米が注目した事件「マーサ・モクスリー殺人事件」。
なぜそんなに注目されたのかというと、容疑者はなんと、第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの弟ロバート・ケネディの妻であるエセル・スカケル・ケネディの甥だから!
事件が起きたのは1970年代ですが、実際に容疑者であるマイケル・スカケルが逮捕されたのは2000年1月。
まさに実際の事件も長年未解決だったわけです。しかも容疑者は権力者の身内・・。
2003年に放送されたコールドケースではまさに逮捕されるところでめでたしめでたしという感じで終わっています。
しかしここから17年後の2020年まで、実際の事件はゴタゴタが続いているのです・・・。
マイケルは2002年に20年の刑を言い渡されますが、2013年に保釈金120万ドルを払い釈放されています。
当時のマイケルの弁護士が適切に弁護していなかったことが理由。
釈放後はGPS装置、そしてコネチカット州から出ていかないことが条件だったようですが、実際にはニューヨークに引っ越しているようです。
しかし2016年コネチカット州最高裁判所がマイケルの有罪判決を復活。
2018年、検察がマイケルの保釈取り消しを求めるも、当時の弁護士からの適切な弁護がなかったことなどを理由に有罪判決を破棄。
2020年には検事長から事件の立証不可能のため再審は不可能と上級裁判所に通知しています。
また振り出しに戻って未解決事件になってしまったということでしょうか・・・。しかしまさか最近までこんなごたついていたとは。。知らなかった。
実際にあった事件をモデルにしたエピソードのソース
ゲスト出演者
メラニー役 : ベッキー・ニュートン
今回若かりし頃のメラニーを演じたのは「アグリーベティ」のアマンダ役で有名なベッキー・ニュートン。
1978年7月4日コネチカット州 ニューヘイブン生まれ。
アグリーベティより3年前のベッキーですね。セリフや出演シーンは少ないものの印象に残る目力でした。
ベッキーは俳優のクリス・ディアマントポロスと結婚し、現在は2児の母親。
その他に「奇跡のシンフォニー」「ママと恋に落ちるまで」「DIVORCE/ディボース」などに出演。
1976年
今回事件が起きたのは1976年。
ロッキード事件が発覚したり、アップルが設立された年でもあります。
トッドが「愛国主義者の商売女」って言ってましたが、この年はアメリカ独立宣言200周年の年でした。
1976年に公開された映画
「JAWS/ジョーズ」
「カッコーの巣の上で」
アカデミー賞受賞作品「ロッキー」
挿入歌
オープニング、ジルとメラニーがパーティーへ行くシーン
Boston – More Than a Feeling
ジルがエリックとのキスを拒んだシーン
Hot Chocolate – You Sexy Thing
プールでトッドに意地悪なことを言われジルが立ち去るシーン
10cc – I’m Not in Love
ラストシーン使用曲
Creedence Clearwater Revival – Have You Ever Seen the Rain
邦題は「雨を見たかい」1971年シングルとして発売されビルボードで8位を記録。
曲の通りラストシーンはちょっと晴れてるのに雨が降ってます。
エンディング曲をまとめたプレイリストをAmazon Musicに作りました。
今回の一言
とにかくリリーたんが美しすぎるのである。
次の回、第2話「通話記録(Gleen)」の感想はこちら