コールドケース 第12話「接着剤(Glued)」
米国放送日:2004年1月18日
監督:Peter Markle
簡単なあらすじ
8歳の少年がノートを購入した後に襲われる。当時事件を担当していたのはスティルマン。容疑者は浮かんだものの事件を解決できないでいた。
この事件を思い出したスティルマンはリリーに再捜査をお願いする。「なぜこのタイミング?」と困惑しつつもリリーは再捜査に動き出す。
今回の事件
1980年1月22日 ティム・バーンズ事件
黒人白人が入り混じったブルーカラー(肉体労働者)が住む地域で、8歳のティムは雑貨店でノートを購入後に誰かに襲われ、目の下を殴られる。そのまま意識を失い雪が降り積もる中凍死してしまう。
当時関わっていた人物たち(※ネタバレ含みます)
ネタバレになるのでご注意ください。
ラトレル・リッチモンド
当時16歳の容疑者。シンナー常用者で暴行などで補導されており、事件当日はティムがノートを買ったお店の前でたむろしていた。事情聴取後失踪している。
ショーン・マーフィー
雑貨店の店主。当時ティムにノートを売っている。黒人嫌い。
現在では建設会社を経営。
グレッグ・バーンズ
ティムの父親。
当時、3人の子育てで疲れ果てていた。
ニコール・バーンズ
ティムの母親。
当時、3人の子育てて疲れ果てていたため、長男のティムをほったらかし状態にしていた。3人目を産んでからは産後鬱病だった可能性が。
デクラン神父
雑貨屋の近くにあった教会の神父。ティムの両親と親しかった。
現在は聖職者のための老人ホームに入っている。
犯人&犯行
がっつりネタバレになります!!!
ティムは雑貨屋の前でたむろしていた黒人3人組に絡まれ、接着剤を買ってこいと脅される。
ノート購入後、ティムは万引きして手に入れた接着剤を3人組に渡していた。
その姿を雑貨屋の店主マーフィーが目撃。ノートを1ドルにまけてティムに売った恩を仇で返されたマーフィーは激怒。
そのままティムを追いかけ、殴りつける。
第12話「接着剤(Glued)」の感想

感想にはネタバレがありますのでご注意ください。
社会問題で翻弄された事件と人生
今回、第一容疑者として浮かび上がったのは黒人であるラトレル。
シンナー常用者で8歳のティムを脅す姿は許されることではないけれど、黒人ってだけで犯人扱いされて問答無用で逮捕される時代でもあったのでしょう。
若干16歳で家を飛び出し、失踪するラトエル。その後結婚、子持ちとなるわけですが幸せとは程遠く。離婚、現在は薬中が集まる家で寝転がる日々。一人の少年が亡くなったことで、彼の人生も狂ってしまったのが何とも言えない。
ラトエルはただの馬鹿じゃないのがこれまた辛い。彼の仮説は考えすぎなところもあったけど(実際マーフィーは感情のまま殴っただけで殺意はなかったし、不動産業ビジネスのため殺したとも思えない)頭は冴えてるし、
実際彼の息子も学校では成績優秀。彼がもしあの時店の前でたむろしてなかったら、ティムに絡んでなかったらどんな人生だったのか考えると・・・。
それでもやはり自分の人生なのだから、小さな子供を脅すような真似はするんじゃないよ。
もう16歳だろうに。それでもあの地区ではそうするしかなかったんだろうな。。。
時代も、環境も、大事ですね。本当に。
産後鬱という言葉がなかった時代
1980年代は鬱病、しかも産後鬱なんて言葉はなかった時代。
最近では産後自殺する母親が多い事実が明らかになっていますが、この時代はそんなデータも明らかにはなってないし、産後鬱を発症していたお母さんたちはさぞつらかったでしょう。
今回のニコールは本当に運が悪く、外に出て「重荷を取り除いてください」と祈った後にティムが亡くなるという。。
「私が祈ったから」と自分を責めてきたこれまでの人生つらかったでしょうね。
しかし彼女にはそばでサポートしてくれる素敵な旦那さまがいてよかったです。



歌手のブリトニー・スピアーズも産後鬱病だったのだと最近になって気づいたそうですね。00年代でもまだまだ産後鬱という病名の知名度がありませんでした。産後のお母さんたちのメンタルケア本当に大事だと思います。
スティルマンのプライベートとリンクする事件
今回いきなりこの事件を思い出したスティルマン。リリーも「なぜこのタイミング?」と困惑していましたが、それには訳がありました。
この事件が起きたとき、スティルマンはプライベートで父親になりました。しかし難航する事件でなかなか家にも帰れず、妻との仲も悪くなり、愛娘とも一緒の時間を過ごせずにいました。
そして今回、その娘さんが妊娠。そのことでこの未解決で終わってしまった事件を思い出してしまったのですね。
リリーたちの力も借りて、無事に事件を解決したスティルマン。今度こそ娘さんと愛に満ちた時間を過ごせるといいですね。



娘さんがまだ妊娠2ヶ月なのにベビーベッドを調べだしちゃうスティルマンは孫命になりそうだな~w
ノードラッグデイ
今回ラトエルを探すためにヴェラとジェフリーズがノリノリで「No ドラッグデイで行くか!」と張り切ってましたがw
そういうことだったのね~w
ちゃんと3人分の椅子を用意。時間がたつに連れてハンバーガー食べてたり、ドラム缶持ってきて焚火してたり最高におもしろいシーンでした。
最初「ノードラッグデイってなに?」と困惑気味だったスコッティまでもがノリノリでしたね。



コールドケースの癒しキャラはジェフリーズとヴェラなのは間違いないw
過去と現在の俳優さんたちが似すぎ
コールドケースはいつも過去現在を演じる俳優さんたちのチョイスが絶妙ですが、今回は本当にそっくりでした!
特にバーンズ夫妻!
グレッグを演じたのは、マイケル・マグレイディとSean Carrigan。
ニコールを演じたのはチャルシー・フィールドとEden Rountree。
特にニコールね。顔が本当に瓜二つ。最初特殊メイクで老けメイクにしたのかな?と思ったくらいでした!
今回は珍しくスティルマンの若かりし頃も登場。演じたのはAnthony John Crane。
でもラストシーンにまで出てくると「どちらさま?w」と思ってしまい吹き出してしまう自分が・・・w



「おまえまだいたのか。髪の毛どこに置いてきちまったんだ?」と言われていましたが、過去も現在もそんな髪型変わってないw
リリーとカイトの恋愛の行方
前回、リリーとカイトはキスまで行きましたが、今回もカイトが出演してくれました。
ふたりで飲みに行ったあとにリリーの家まで送ってくれましたね。
リリーたんが飼っている猫ちゃんたちも紹介されてだいぶ関係が進んだのではないでしょうか!
そして今回カイトに神父の行方を調べて貰えなかったら捜査も難航していたかもしれません!
1980年
今回事件が起きたのは1980年。
この年はポール・マッカートニーが成田空港で逮捕されたり、ジョン・レノンが暗殺されたりとビートルズ界隈は衝撃的なニュースが続いた年でした。
洋楽では1980年1月にはマイケル・ジャクソンが「ロック・ウィズ・ユー」をシングルカット。週間チャート1位を記録。
イギリスのロックバンド、クイーンの「地獄へ道連れ」がシングルカットされ全米一位を記録しました。
ここ日本ではホワイトデーが初めて全国規模で開催されたり、日本の自動車生産台数が世界1位を記録したりと、わいわいガチャガチャと活気があった時代です。
1980年に公開された映画
「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」
「クレイマー、クレイマー」
アカデミー賞受賞作品「普通の人々」
挿入歌



コールドケースで使用されてる曲をまとめてみました。
オープニング、ティムがノートを買ってるシーン
ジャクソン・ブラウン – Running on Empty
ティムがノートを買いに行っていいか両親に尋ねるシーン
スーパートランプ – The Logical Song
ニコールが外でタバコを吸うシーン
ポール・サイモン – Slip Slidin’ Away
ラストシーン使用曲
ジェネシス – Follow You Follow Me
今回のラストシーンの曲はジェネシスのアルバム「…And Then There Were Three…」に収録された「Follow You Follow Me」
アルバムは1978年3月に発売。ジェネシスにとって初めて全英シングルチャートTOP10入りを果たした曲。



今回の事件は1980年なので、時代とちょっとズレがある曲チョイスです。(コールドケースあるある)
コールドケースに使用されたエンディング曲をまとめたプレイリストをAmazon Musicに作ってみました!こちらからどうぞ!
今回の一言



「な~にやわなこと言ってんの!そんなに贅肉つけて!」と言われたヴェラとジェフリーズが可愛い
次の回、第13話「手紙(The Letter)」の感想はこちら


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