コールドケース 迷宮事件簿
第4話「靴下(Churchgoing People)」
米国放送日:2003年10月19日
監督:マーク・ペリントン
今回の監督マーク・ペリントンは第1話「テニスラケット」でも監督を務めています。
簡単なあらすじ
アルツハイマーの女性が徘徊していたところを保護される。その女性は手に1990年に起きた死亡記事を持っていた。
念のため殺人課のリリーが面会をすると、その記事の被害者は女性の夫だった。
迎えにきた息子のライアンに事件は解決したのか尋ねると未解決だという。
気になったリリーは再捜査に乗り出す。
今回の事件
1990年2月3日 ミッチェル・ベイズ事件
ケンジントン街で全裸の遺体で発見された49歳の男性。遺体には14か所の刺し傷。
財布がなくなっていたため強盗殺人と推測されていた。
当時の担当はギル・シャーマン。捜査はかなり杜撰だった。
当時関わっていた人物たち(※ネタバレ含みます)
ネタバレになるのでご注意ください。
シャーロット・ベイズ
ミッチェルの妻。現在はアルツハイマー病になっており
お墓を徘徊してるところを警察に保護される。
ライアン・ベイズ
ミッチェルとシャーロットの息子。事件当時は16歳。
事件当夜は初デートの予定だった。
ティナ・ベイズ
ミッチェルとシャーロットの娘。8年も母親と兄に会っていない。
事件当夜はミッチェルに友達の家まで送ってもらっていた。
ティナは子供ながらに父親の浮気に気づいていた。
ドロレス
ケンジントン街の売春婦。
ミッチェル事件が起きた際、当時の売春婦仲間内では「あんな人見たことないし、この地域で真っ裸になるなんて変だ」と話題になっていたと教えてくれた。
ヘンリー・ウォルシュ
殺人現場にあったポルノ雑誌に貼ってあった名前。
調べてみると、ジャーマンタウンでカーペット店を経営していた男で3年前に他界。
ヘンリーの息子はライアン・ベイズの同級生だったことが判明。
当時ライアンと一緒に好奇心でケンジントン街で売春婦を見てたりしてた。
ジュディ・エンライト
教会の聖歌隊員で、現在も教会で働いている。
ミッチェルと不倫しており、事件当夜にミッチェルに振られている。
ジュディの旦那も二人の関係に気づいていた。
犯人&犯行
がっつりネタバレになります!!!
ミッチェルの浮気を知ったシャーロットがブチ切れてミッチェルを殺害。
息子のライアンに死体を遺棄させる。
シャーロットは日頃から旦那であるミッチェルにDVをし、子供たちには怒鳴り散らす毒親だった。
第4話「靴下(Churchgoing People)」のネタバレ感想
感想にはネタバレがありますのでご注意ください。
毒親のリアルさ
今回の話は「ザ・毒親」がテーマでしたね。
個人的なことなのですが、私の親もまさに毒親でした。
そのため、シャーロットの鬼のような形相を見て実母を思い出してしまいました、、
まさにドラマと同じで、周りからは良い親に見えるタイプで、真面目な子供を持つ家庭なんですよね。
これが一番やっかいで。。まわりにヘルプをしても「いい親を持ってるのに何言ってるんだ」と言われたり、
親は家で怒鳴り散らすことで子供を押さえつけてるので、ぱっと見では子供も大人のいう事を聞くいい子になります。
そうしないと怒鳴られるので。しかし、子供の心は死んでます。
子供時代はこれで立ち回れればと、自分の感情や気持ちを押し殺して日々を過ごしますが、思春期~大人になってから感情の器が溢れかえってしまって、精神面で支障をきたしたり、ストレスで脳や体が耐えられなくなり、症状が表に出てしまうなんてこともありえます。
今回の話は毒親持ちには結構こたえた回だったのではないでしょうか。
演じた女優さんの鬼の形相演技もすごかったし・・・。
きっとこの話を見た人の中には、
「親になんか反抗しろよw16歳なんて反抗期だし何言うこと聞いてんの?弱すぎ」なんて思う人もいるでしょう。
しかし子供のころから怒鳴られ、父親にDVしてる姿を見せられていたら・・・。
親に反抗することは無理なんですよね。軽く洗脳と同じです。怒られるのが恐怖なんですから。
16歳だろうが、反抗期だろうが、幼少期からそれが続けば反抗なんてできないのです。
ティナの生き方が正解
自分の父親の遺体を遺棄させる酷い親なのに、なぜライアンは家を出なかったのか?
きっと犯行後ずっと母親シャーロットから脅されてたのだと思います。
「私を見捨てたら遺体遺棄をバラす」と。
毒親は自分の手から子供が離れそうになると脅したり、優しくなったり、あの手この手を使って引き留めにかかるので、きっとシャーロットもやってただろうなと勝手に想像。
もしライアンがこの事件に巻き込まれなかったら、ティナみたいに「母親は異常」と気づき次第、家を出てたと思います。
初デートをぶち壊されなければ、普通に恋愛を経験し、友情も育んでいけばきっと自分の親が異常だと気づけるはず。
ティナは家を出て、まったく実家に帰っていなかったですが、正直
それが正解です。
それでも精神を病んでしまったティナですが(うつ病)、実家を出て暮らしたほうが精神衛生上いいですよ。
本当に。
もし毒親に悩んでる若い子がいたら、全力で家を出ることをお勧めします。
そして自分の人生を好きなように生きましょう!その権利があるのだから!
毒親に悩んでいる人にぜひ読んでほしいおすすめ書籍
ゲスト出演者
ライアン・ベイズ役 : ジミー・シンプソン
今回、息子のライアンを演じたのは、ジミー・シンプソン。
1975年11月21日アメリカ合衆国 ニュージャージー州生まれ。
映画「ホワイトハウスダウン」でサイバー攻撃をする敵役を演じてました。
今回の「コールドケース」や「CSI:科学捜査班」などの人気ドラマにゲスト出演を重ね、
「ハウス・オブ・カード」では17エピソードに渡って出演。
映画界でも順調にキャリアを伸ばし「デート&ナイト」にも出演している。
1990年
今回事件が起きたのは1990年。日本ではバブルが崩壊した年。
ミッチェル事件の2月には、マイク・タイソンが東京ドームでジェームス・ダグラスに10回KO負けをし、世界ヘビー級王座から陥落している。
1990年に公開された映画
「ホーム・アローン」
「ゴースト/ニューヨークの幻」
アカデミー賞受賞作品「ダンス・ウィズ・ウルブズ」
挿入歌
オープニング
George Michael – Faith
シャーロットがライアンにダンスを教えてるシーン
Rick Astley – Never Gonna Give You Up
ミッチがジュディと別れるシーン
Belinda Carlisle – I Get Weak
ラストシーン使用曲
Madonna – Live to Tell
今回のラストシーンはマドンナのLive to Tell。
1986年にリリースされたマドンナの3枚目のアルバムに収録された曲。
今回の話は毒親との関係でしたが、この曲はマドンナが幼少期だった頃の父親と継母の関係を書いた曲。(実母はマドンナが5歳の時に乳癌で他界しています)
今回の事件は1990年に起きた事件なのに、挿入歌がすべて1986年~1987年の曲なんですよね。
何か意味があるのかな。
コールドケースに使用されたエンディング曲をまとめたプレイリストをAmazon Musicに作りました。
今回の一言
今回めっちゃ腹立つのが、都合よくアルツハイマーになっちゃってる所。弱々しい女性に見えるし、実際リリーも「奥さんが可哀想」って理由で捜査に動き出してる。
次の回、第5話「ランナー(The Runner)」の感想はこちら