コールドケース迷宮事件簿
シーズン2 第4話(通算27話)「ボス(The House)」
米国放送日:2004年10月24日
監督:アレックス・ザクシェフスキ
簡単なあらすじ
1970年代に閉鎖されたノーザンステイト刑務所の跡地で子供が遊んでいると、足元が崩れ人骨が出てくる。
その穴は脱出トンネルとみられ、人骨と一緒に残っていた囚人服の番号を調べてみると、身元はハンク・デンプシーと判明。遺体には鈍器で殴られた跡があった。
しかしハンクは1968年に刑務所で亡くなっており、火葬もされていた。
今回の事件
1968年1月13日 ハンク・デンプシー事件
記録によるとハンクは刑務所の診療所に肺炎のため入院。
しかし診療所の廊下で遺体が発見され、48時間後に警察に通報。
その後モルブに遺体が送られ、誤って火葬されている。
明らかに書類が改ざんされているため、リリーたちは真相究明に急いだ。
当時関わっていた人物たち(※ネタバレ含みます)
ネタバレになるのでご注意ください。
マイク・ジェイドン
ノーザンステイト刑務所の看守。
ブライス・ウィルバー
ノーザンステイト刑務所の所長。
現在はティプリー刑務所の所長をしている。
ジェイムズ・ヒル
ハンクと同室で仲が良かった囚人。
現在はティプリー刑務所に収監中。
ジョニー・ハーキン
3人を殺害した凶悪犯で祖父も刑務所に入ったことがある。
ハンクが脱走した2週間前に出所。
ウェンドール・フォイト
ジョニーと同室で一緒に郵便係をしていた囚人。
現在はジャーマンタウンのオートショップで働いている。
ボビー
ハンクの当時の恋人。
ボビーがナンシー・シナトラが履いてたようなブーツを欲しがり、ハンクがボビーのために盗んだ。
クロウディア
刑務所に勤務する看護師。
犯人&犯行
がっつりネタバレになります!!!
一足早くに出所したジョニーはボビーと協力し、ハンクの脱走を助けることになっていたが、
ボビーと一緒に過ごすうちにジョニーはボビーに惚れてしまう。
トンネルを潜り抜けてきたハンクと落ち合ったジョニーはハンクを殺そうとする。
しかし反撃をうけたジョニーはハンクに殴られ死んでしまう。
第27話「ボス(The House)」のネタバレ感想
感想にはネタバレがありますのでご注意ください。
親友の恋人の話を聞かされて惚れてしまう男
今回の真の被害者(?)であったジョニー。
ずっと刑務所にいて男たちに囲まれてる中で、ハンクに延々とボビーの話を聞かされてたら、
そりゃ脳内でかなり美化されちゃうし、ジョニーがボビーに恋するのも仕方がないのかもしれません。
しかも会って見たらあんな可愛い子だ。
しかしいきなりボスがボビーとわかってからのジョニーが既に恋に落ちてる状態の演出は雑かな?とは思っちゃいましたw
もうちょっとふたりのハンク脱走計画を練るシーンがあってもよかったかなぁ・・・。
結局はハンクとボビーの恋がメインのお話だからそのシーンはいらんのか。
脱走したい理由がイマイチぴんと来ず
ジョニーがいきなり恋に落ちてるだけでも雑だけど、どうしてハンクがそんなに脱走したがるのかっていう理由も正直弱いよなあw
ただの恋愛だったんかい!!!っていう・・・w(ただのと言っては失礼だがw)
もっと脱走しなきゃいけない理由が強ければ泣けたのかも(ボビーが余命少ないとかそんな感じの)ああ、私がもっと若ければこのエピソードでも納得いったのかもしれない。
しかしながら、ジョニー・キャッシュ回と考えれば、愛する人のために脱走するって話がシンプルにいいのかもしれない。
ナンシー・シナトラのブーツと罪
実はハンクが逮捕された理由はボビーがナンシー・シナトラのブーツを欲しがり、ハンクが盗んだからというもの。
ちなみにナンシー・シナトラのデビューアルバム「ブーツ」は1966年発表。事件は1968年です。
「靴を盗んだだけで2年」と言われていたので、ナンシーのデビュー時あたりに盗んだんでしょうか?
ちなみにナンシー・シナトラは日本でも有名で「These Boots are Made For Walkin’」や、父親のフランク・シナトラとデュエットした「Somethin’ Stupid」などが代表曲です。
ところでジョニーはハンクに殴られて死んだわけですが、それって罪に問われないのですか???
この回を見たとき、てっきりトンネルが崩れて死んだんだと思っていたのですが、実際は殴られて死んでますよね。
リリーはボビーの旦那の正体を突き止めたのだから逮捕なのか?と思っていたけど、そんなこともなく。。
まあハンクには殺意はなかったし、正当防衛なのでお咎めなしってことでいいのかしら???
リリーの過去の恋話!?
今回ハンクの話をされるとウットリしていたリリー。
かなり珍しいな!?と思っていたので、てっきりリリーの演技なのかなと思っていたのですが(第4話「靴下」のように)
彼女が語ったバイクの男の話はどこまでが本当でどこまでが演技なの~!?
バイクの男自体が嘘なのかなと思ったけど、エンディングではバイクに乗ったカップルを見つめちゃってたし、今後の話の展開に注目です!
ゲスト出演者
ボビー役 フィオナ・グーベルマン
今回、ハンクの恋人ボビー演じたのはフィオナ・グーベルマン。
1980年3月30日カリフォルニア州サンタモニカ出身。
「CSI:NY」や「マイネームイズアール」などにゲスト出演。
「グッド・ドクター 名医の条件」ではモーガン・レズニック役でレギュラー出演している。
1968年
今回事件が起きたのは1968年1月。
4月にはキング牧師が、6月にはロバートケネディが暗殺された年でもあります。
秋にはメキシコオリンピックが開催されました。
また海外ドラマでは「ザ・ルーシー・ショー」や「宇宙家族ロビンソン」が終了し、
新たに「ハワイ5-0」や「刑事コロンボ」が開始した年でもあります。
日本では川端康成が日本人初のノーベル文学賞を受賞したり、三船敏郎の「風林火山」が大ヒットしています。
また食べ物では出前一丁、サッポロ一番シリーズなどが発売し、大ヒットしました。
1968年にジョニー・キャッシュはプロポーズしていた!
今回の事件は1968年1月ですが、なんとジョニー・キャッシュは1968年3月にカナダ オンタリオ州でライブ中に奥様となるジューン・カーターにプロポーズしております!!
まさにハンクとボビーのようですね。
ジョニーにとっては2度目の、ジューンにとっては3度目の結婚となり、
2003年5月にジューンが亡くなるまでふたりは連れ添っていました。
そして彼女が亡くなってから4ヶ月も経たないうちに、ジョニーは亡くなりました。
ジョニーの人生を描いた映画「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」はゴールデングローブ賞では作品賞などを受賞。アカデミー賞ではリース・ウィザースプーンが主演女優賞を受賞しており。
公開当時は日本でも話題だったと記憶しております。
1968年に公開された映画
「卒業」
「招かれざる客」
アカデミー賞受賞作品「夜の大捜査線」
挿入歌
今回のエピソードは最初から最後までジョニー・キャッシュの曲でまとめられています!
オープニング
Folsom Prison Blues (Live at Folsom State Prison, Folsom, CA – January 1968)
by ジョニー・キャッシュ
囚人の心境を描いたような歌詞となっているので、オープニングで囚人たちがノリノリに踊っていたのも頷けます。
ハンクが最初の脱走を試みたときのシーン
I Got Stripes
ジェイドンが看護師と関係を持つシーン
Dirty Old Egg-Suckin’ Dog
by ジョニー・キャッシュ
ジョニーがハンクに初めて話しかけるシーン
Cocaine Blues
by ジョニー・キャッシュ
ハンクがボビーにプロポーズするシーン
Ring Of Fire
by ジョニー・キャッシュ
こちらは奥様のジューン・カーターも作詞に携わっております。
ジョニーとボビーが車でハンクを待つシーン
Give My Love to Rose
ラストシーン使用曲
ジョニー・キャッシュ – Flesh and Blood
今回のラストシーンはジョニー・キャッシュの「Flesh and Blood」
1970年に公開したグレゴリー・ペック主演の映画「I Walk the Line」のために作った楽曲。
リリースしたのも1970年10月ですので、今回の事件とは2年のずれが生じます。
しかし脱獄してからボビーとハンクはこの曲を聞いてるはずなので良しとしましょう!
カントリーチャートでは1位を記録。ビルボードHOT100では54位を記録しています。
コールドケースに使用されたエンディング曲をまとめたプレイリストをAmazon Musicに作りました。
今回の一言
とにかくリリーの過去に興味津々!